個人事業主でまとまった金額(最大84万円)を控除できる制度
「小規模共済」を老後のお金づくりの1つとして活用したいと思います。
個人事業主には会社員のような退職金制度がないため、
自分で老後のお金を準備しておく必要があります。
ひとことで言うと、
小規模共済は個人事業主の「退職金」を毎年控除の優遇を受けながら作れる制度です。
①掛金
小規模共済では、毎月1000円〜70,000円まで500円単位で掛け金を決めることができ、
年間で最大84万円まで利用できます。
この掛金は毎年の確定申告で控除対象となるため、
所得税や住民税などの節税にも効果を発揮します。
②解約
小規模共済で注意することは、
加入してから20年以内に「自己都合による解約」をすると元本割れしてしまいます。
20年以内であっても個人事業主を「閉業」する、「死亡」などの事由であれば、
元本割れすることなく解約して掛け金を受け取れます。
小規模共済を利用する場合は、
20年以上掛け金を掛け続けられるか否かを利用の判断基準にするとよいでしょう。
③受取方
20年以上、掛け金を掛け続けた後であれば、
掛け金の受取方には「一括受け取り」と「分割受け取り」の
いずれかを選択できます。
一括受け取りでは「退職所得」として受け取り、「退職所得控除」を適用できます。
分割受け取りでは「雑所得」として受け取り、「年金」と同じ扱いになります。
私は、40歳から70歳までの加入を目標として、
毎月の掛け金を4万円、30年間で1,440万円を70歳の時点で「一括受取り」を選択し、
退職所得控除1200万(800万+40万×10年 ※1)を差引した金額240万円が
受取時の小規模共済による課税対象額になります。
つまり、1240万円は非課税で受け取ることができることになります。
※.退職所得控除額の計算方法は芦屋会計事務所のページを参考にしました
毎月の掛金を1,000円〜70,000円まで選べることで、
個人事業主の毎月の業績に応じて、掛金を柔軟に変更できれば良いのですが、
掛金の期間が20年を満たないと「元本割れする」というルールがネックです。
ネックの理由は、はじめに7万円で掛け金をスタートして、
5年後に事業状況が悪化して、4万円に減額したとすると、
差額3万円分が最初の5年分しか掛けられておらず、20年に満たないので、
この差額3万円×5年の180万円に対しては、元本割れして受け取ることになります。
その後も4万円で20年間掛け続けた分に関しては、
元本割れすることなく4万円×20年の960万円を受け取ることができます。
私は小規模共済を一括受け取りで「退職控除」も活用して、
受取時も極力、「課税対象」となる金額をおさえつつ、
今後30年間、「無理なく支払える金額」として4万円ではじめたいと思います。
小規模共済の掛け金の支払い方は、「毎月払い」と「一括払い」を選択できます。
節税を目的とする場合、年末にその年度の業績を考慮して、
支払額を決められる「一括払い」が効果的です。
私の場合は退職所得控除額を考慮し受取り時から逆算して、
掛け金4万円、年間48万円と決めましたが、
念の為、事業がうまくいかなかったなど支払いが厳しくなったときの事を考え、
12月に来年度の11月までの12ヶ月分48万円を一括払いすることに決めました。
小規模共済の申し込み方は、
小規模共済のHPから申請書を請求すると、数日後に申込書類が届きます。
申し込み書類に必要事項を記載し、
小規模共済の取り扱いのある金融機関などの窓口にて申し込み手続きを行います。
窓口に持参する書類は①申込書類 ②運転免許証などの本人確認書類 ③前年度の確定申告書(開業年の方は開業届け)④印鑑(記載内容に不備があったときために使用)です。
※加入方法の詳細は中小機構の小規模共済のページに紹介されています
加入時に提出する前年度の確定申告書ですが、
最近はe-taxで申告するケースが増えていますので、
税務署の押印のない確定申告書だと、
e-taxで申請完了した画面も併せて持参する必要があります。
e-taxのマイページへログインすると、
申告したときの日付でメールが届いており、そのメールを開いて印刷すればいいのですが、
マイナンバーカードでのログインを済ませないと、そのページが閲覧できないので注意が必要です。
マイナンバーカードを所有していない方で、これから小規模共済の加入を検討されている方は、
確定申告を提出した際に表示されるPDFデータのダウンロードと
最後に表示される申込み完了画面のキャプチャーを必ず保存しておいてください。
※e-taxのホームページはこちらをご参照ください
税務署の押印のある前年度の確定申告書を取得する別の方法としては、
時間とお金はかかりますが、管轄の税務署に前年度の確定申告書類の発行を依頼すれば、
2週間以内に準備をしていていただけ、税務署で受け取ることができます。
2週間はかかるので年末にあわてて小規模共済に加入したいと思っても、
確定申告書が間に合わない事も考えて早めに加入手続きの準備をしましょう。
個人事業主の老後資金づくりの1つとして、小規模共済について紹介しました。
私は稼いだお金を極力、節税しつつ老後資金づくりの準備をしたいので、
小規模共済で1440万程、iDeCoで550万の元本に対して金利3〜5%で750万程、
積立nisa40万×20年で800万程の合計2500〜3000万を目標に、
この3つの制度を軸に老後のお金づくりの準備をしていきたいと思います。