お金を稼ぐ
資産形成に必ず役立つ収入・運用・貯蓄BOX

賢く資産形成をはじめるときに知っておくべき箱には、
稼いだお金を入れる収入BOX、
お金にお金を増やしてもらう運用BOX
安全にお金を管理する貯蓄BOXがあります。

結論から言うと
これらの国が用意したBOXを使いこなすことで
できる限り税金を抑えつつ生涯に必要な資産を賢く作ることができ
「経済的」に「時間的」に自由を手に入れやすくなります。

収入BOX 2つ

会社員という稼ぎ方を選択した方は、
諸々の税金を差引した後の金額を「給与」として受け取ります。

会社員以外の稼ぎ方を選択した場合、
稼いだお金を入れられるBOXには「個人」と「法人」の2つの箱があり、
必ずどちらかの箱を選ぶ必要があります。

1年を通じて稼いだ「収入」から「経費」や「控除」を除いた「課税所得」に対して、
一定の税率で税金を納める役割をこの2つの箱が果たします。

個人の箱では事業規模が小さく利益695万以下、売上1000万以下であれば、
設立費も安く、申告などの処理も簡単なのでおすすめです。
売上1000万以上でどんどん事業を拡大していく場合は法人の箱がおすすめです。

【1】収入BOX – 個人

「個人の箱」とは個人事業主の開業届を提出すると使えるようになります。
手続きも簡単で、設立費も不要、指定の書類に必要事項を書き込み、
最寄りの税務署に提出すると記載した日をもって開業となります。

個人の箱では様々な「控除」を受けられ、次のようなものがあります。

青色申告をすると65万円の控除を受けられます。
給与を受け取ると最低55万円の控除が受けられます。
iDeCoをすると最大27.6万円の控除が受けられます。
小規模企業共済に加入すると最大84万円の控除が受けられます。
配偶者を青色事業専従者として専従者給与を支払った金額も控除対象となり、
扶養内にする場合は最大103万円/年が目安になります。
社会保険の国民年金は20万円ほどが控除になります。
基礎控除は48万円になります。

ここまでの控除合計が400万円程になります。
その他にも社会保険の国民健康保険や生命保険、地震保険、
医療費控除、寄付控除、住宅ローンなど一人一人の状況によって控除額は違いますが、
これらの項目も控除の対象になります。

個人の箱では稼いだお金「収入」から事業で使ったお金「経費」を差引した金額に、
さらに「控除」も差引きした後の金額「課税所得」に対して
一定の税率で「所得税」や「住民税」を納めることになります。

「所得税」は課税所得の金額に応じて税率が異なり「5%〜45%」まで幅があります。
「住民税」は一律「10%」ほどです。

【2】収入BOX – 法人

「法人の箱」とは株式会社や合同会社を設立すると使えます。
設立には申請書類の他に定款という自社のルールの書類の作成が必要です。

費用は合同会社で「10万円」ほど、株式会社で「30万円」ほどが目安です。
法人の箱では事業をする上で個人の箱よりも「信用力」があります。

法人の箱をつくり「役員報酬」を受取ると、社会保険が厚生年金と健康保険になります。
社会保険料の支払額は「役員報酬の金額」に応じて異なり、
「月額2.2万円〜27万」ほど(22年時点)まで幅があります。

法人の箱の税金には「法人税」15%〜23.2%、地方法人税4.4%です。
個人の箱では「最大55%」の税率に対して法人の箱では「最大30%程」なので
事業規模が大きくなると法人の箱をつかう方が税金面ではお得になります。

売上の目安は1000万円を超えるような事業になると、
法人の箱の方がお得になるケースが多くなります。

運用BOX 4つ

国は稼いだお金を税制優遇で資産運用できる箱、
運用BOXを用意してくれています。

運用BOXにはNISA又は積立NISA、iDeCo、ジュニアNISAの4つの箱があり、
それぞれの箱の特徴を理解して、稼いだお金を運用BOXに入れていき、
税制優遇で賢く資産を増やすことがとても大切です。

NISAは5年以内の短期的な利益を追求する投資に詳しい方向けの箱、
積立NISAは20年の長期的な運用で老後や教育資金として投資初心者向けの箱、
iDeCoは老後の資金づくりに特化した箱、
ジュニアNISAは子どもがいる家庭の教育費をつくる箱
として活用できます。

例えば、22年時点で「投資初心者」かつ「子育て中の会社員」であれば、
積立NISA BOXで800万円、iDeCo Boxで27.6万円×60歳まで、
ジュニアNISA BOXで160万円×子どもの人数分を運用BOXを利用して
「非課税」や「控除」を受けながら資産運用することができます。

【1】運用BOX – NISA

NISAは年間120万円まで運用期間は最大5年間で合計600万円、
この期間に利益がでた分は非課税で受け取れます。

購入できる商品は株や投資信託、ETFなどから自由に選べます。
「投資に詳しく短期間で資産を増やしたい人向き」です。

【2】運用BOX – 積立NISA

積立NISAは年間40万円まで運用期間は最大20年間で合計800万円、
この期間に利益がでた分は非課税で受け取れます。

購入できる商品は国が厳選した投資信託の中から選べます。
「投資初心者で長期間でコツコツと資産を増やしたい人向き」です。

※NISAと積立NISAはどちらか一つを選択して利用できる箱です

【3】運用BOX – iDeCo

iDeCoは毎年控除の対象となり、かつ、運用で得られた利益が非課税です。

会社員(2.3万/月)、公務員(1.2万/月)、自営業(6.8万/月)など
働き方で掛金が異なり毎年14.4万円〜81.6万円まで利用できます。

購入できる商品は国が厳選した投資信託の中から選べます。
加入条件は一度加入すると60歳まで加入が必須で途中で取り崩せません。

【4】運用BOX – ジュニアNISA

ジュニアNISAは2023年に終了が決まっている制度です。
子どもがいれば年間80万円まで利用できます。

運用期間5年ですがロールオーバーすると子どもが18歳まで運用できます。
購入できる商品は株や投資信託、ETFなどから自由に選べます。
22年と23年の2年で160万円を18歳まで運用でき得られた利益は非課税です。

貯蓄BOX 3つ

半年や1年以内に使う予定のあるお金は「貯蓄BOX」に入れておきます。
貯蓄BOXでは金利が低くお金が増えることよりも、
お金を安全に預けるために使える箱です。

貯蓄BOXでは小規模企業共済、セーフティー共済、銀行預金の
3つの箱をご紹介します。

小規模企業共済は「老後」の資金作りとして活用し、
セーフティ共済はたくさん稼いだ年の「税金対策」として活用し、
銀行預金は「近い将来」使う予定のあるお金を安全に預けるために活用します。

【1】貯蓄BOX – 小規模企業共済

小規模企業共済は個人事業主や法人を設立していれば、この箱を使えます。
毎年最大84万円まで利用でき、全額がその年の「控除」の対象になります。

受取は20年未満だと元本割れするため20年以上かけ続ける、又は廃業する、
死亡といった事情があれば20年未満でも満額が受け取れます。

受取時は「退職所得控除」も利用でき、まとまった受取額にとても有効です。

例えば、84万円を20年間かけると1680万円になり、老後のお金にも活躍してくれます。
毎年の「節税効果」が大きく期間を満たせば元本割れしないのでぜひ利用したい箱です。

【2】貯蓄BOX – セーフティー共済

セーフティー共済は個人事業主や法人を設立していれば、この箱を使えます。
年間最大200万円まで、合計金額が800万円になるまで利用できます。

掛けた金額は全額がその年の「経費」として処理できます。
受取時は「課税対象」になるため、利益が少ない年に受け取るよう工夫が必要です。
利益がたくさんでてしまったときに利用すると節税効果が大きい箱です。

【3】貯蓄BOX – 銀行預金

日本人に馴染みが深く、多くの人が利用している銀行預金。
金利が低く預けていてもお金が増えないけど減ることもなく、
いつでも出し入れができ、家に置いておくよりも安全です。

短期間で必要なお金は銀行預金にいれてくとよいでしょう。
例えば、生活費が毎月25万円としたとき、半年分の150万円あれば安心です。
子どもが進学費などまとまったお金が必要な時期のお金も銀行預金で準備しておきます。

あとがき

資産形成をはじめるときにまずは国が優遇してくれている制度を知り使うことが大切で、今回はBOX=箱に置き換えてご紹介しました。生涯に必要なお金として日々の生活費以外に、教育資金や将来の老後資金は現役時代からコツコツと資産形成していくことが大切です。収入、運用、貯蓄の9つのBOXの特徴を理解して、給与や事業で稼いだお金を何となくそのまま銀行預金だけにしておくのではなく、運用や貯蓄の箱をしっかりと使いこなすことが、賢い資産形成につながる第一歩です。


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