お金を稼ぐ
広告のプロと毎年戦略を考え実践するフィットネスクラブの集客方法

フィットネスクラブの集客方法は、
多角的な視点で各地域に併せて細かく計画し、年間を通じた戦略で実践されています。

2006年ごろの健康ブームでフィットネスクラブが盛り上がり、
市場規模は5000億円前後、施設数は6000施設、会員数は500万人程です。

6000施設を単純に47都道府県で計算すると、1都道府県あたり127施設にもなります。
東京や大阪など都心部の店舗と地方の郊外型の店舗では客層やライフスタイルも異なり、
集客方法も変わってきます。

集客に使える販促費は決まっている

年間の集客にかけられる販促費の予算は毎年決まっており、
その予算を通年を通して予算配分して販促計画を考えます。

フィットネスクラブは地域に根差したサービスなので、
テレビなどのマス媒体よりは、地域に根差した交通や屋外広告といった媒体を活用して、
店舗のある周辺で生活している人にダイレクトに届くことに重きをおきます。

春、夏、秋、冬といった四季に応じてコンセプトを立案し、
デザインに落とし込み、各媒体を通じてお客様に届けます。

入会の動機付けにするための、入会料無料や初月無料、
見学・体験無料といった今ならお得に入会できることで成約率を高めます。

具体的な媒体戦略

どんな媒体へ出稿するか策定することをメディアプランと言います。

フィットネスクラブでは、交通、新聞、雑誌、ラジオ、屋外、ネットと
幅広い媒体でメディアプランを策定します。

「交通」の媒体とは、電車の中吊り広告です。
施設が駅周辺に出店していることも多く、
その駅を中心にその沿線の車両に中吊り広告を出稿します。
また、施設のある駅構内や通路の看板も媒体として利用できる場合は、
その枠も契約して出稿します。

「新聞」は、店舗周辺の半径●●キロ圏内のご自宅へ
折込チラシを配布するという距離やエリアで指定できるので、
全国の店舗の周辺を選定し、出稿を実施します。

「雑誌」は、獲得したいターゲットが購読している雑誌を選定し、
雑誌の中の広告ページへ出稿、または、記事広告が可能な媒体であれば、
雑誌のテイストに合う記事や写真で体験や入会に興味が沸くような内容で
雑誌の担当者と一緒に記事広告を仕上げて出稿します。

「ラジオ」は、店舗周辺の地域のラジオの広告枠を活用し音声で配信できます。
短い時間ですが、リズミカルな音で店舗名やお得な情報を繰返し伝えることで、
耳に刷り込まれ、後日、折込チラシや街頭での広告を目にしたときに、
あのラジオで何度も聞いたフィットネスクラブねと相乗効果が期待できます。

「屋外広告」は、ビルや大通りにある看板に自社の広告を出稿します。
限られたスペースで遠くから見てもらうので情報量も少なくなるので、
行動へ繋げるよりも、認知度を高めることを目的にします。

渋谷のスクランブル交差点の人通りが多いような屋外広告は高額ですが、
各地域には広告が埋まらず空いたままになっている看板も多く、
それらをまとめてお安く出稿できるような媒体もあるので、
フィットネスクラブのような全国各地に店舗があるサービスには向いている媒体の一つです。

「ネット」は、リスティング広告を中心にバナー広告を駆使します。

リスティング広告では、店舗名、地域名、関連キーワードを、
全店舗を網羅する形で出稿ワードを設計し、予算の上限に達するまで出稿を続けます。

バナー広告は、獲得したいターゲット層が利用している媒体を選定して、
バナー広告を出稿し、誘導先ページはバナーの内容に合わせた、
専用のランディングページを作成して成果につながりやすくすることが大切です。

アドネットワークと呼ばれる、多数の媒体を管理していて、
ジャンルで出稿する媒体が自動選別され、
一律のお金で多数の媒体へバナー広告を掲載できるというサービスも
低価格で手広く露出できるので選択肢の一つとして考えられます。

成果報酬型の広告もあり、お問い合わせや体験入会、
申込みなど成果につながった数に応じて広告料を支払う媒体もあります。
例えば、獲得単価5000円と設定して、10名が出稿期間中に成約すると、
50000円を広告会社へお支払いします。
広告の露出は無料で行え、成果につながった分だけ支払えるので、
確実に限られた予算で実施したい場合は、成果報酬型の広告もありです。

各媒体のデザインを統一する効果

デザインは統一する地域に根差したダイレクトに届く媒体を中心にメディアプランを作成し、
各媒体に掲載する広告のデザインは統一することが大切です。

電車の中吊りで目にした広告、翌朝、折込チラシでみた広告、
スマホで目にした広告、外出中にみた看板広告、雑誌を購入して読んだ記事広告、
すべて同じテイストのデザイン、文言で伝えたいことを届けることが
人の心理に重要で行動への効果が上がります。

一度、目にしたときに、運動でもして少し痩せようかな、
2回目に見たときに、あのときに見たフィットネスクラブだな、
3回目に見たときに、最近よくみる施設だな、ここから申し込めば体験入会ができるのか、
一度行ってみようというような事が、
生活圏内の様々なところに広告を目にする機会をちりばめる効果です。

写真は出店地域に合わせて変更してもよい

デザインやテイストは統一することが大切ですが、
使用する写真は施設ごとに変更した方が効果が高くなることもあります。

東京の新宿や渋谷だと、若者が多いため、写真に若い人を使用して構成します。
郊外型の店舗だと、老若男女が生活しているので、
写真におじいちゃん、おばあちゃん、夫婦、子どもと
いろんな年齢層の方の写真を使用して構成します。

そこで生活している人たちを想像して、
広告を見た人のライフスタイルに合った写真で
すっと内容が目に入ってくる状態が望ましいです。

ただし、地域ごとに写真を変更するためには、
その分のモデルの手配、写真撮影、データ制作、印刷とコストもかかるので、
予算管理の部分で問題ないか計画しておくことが求められます。

多くの人の町にあるフィットネスクラブでは、四季ごとに多くの販促費をかけて、
マーケティング部など専門部署が代理店や印刷会社と一緒にかなり綿密に戦略を考え、
日常生活で目にする広告を出稿し、集客に時間とお金をかけています。

あとがき

今回はフィットネスクラブの集客方法について、どのような考え方で、どのようなメディアを活用して、実施しているのかをご紹介しました。500万人の会員、日本人の20人に1人が利用している5000億円の市場規模のある業界では、生活圏内の様々な媒体に各地域の特性に併せて、広告のプロと一緒になって毎年戦略を考え集客を実践しています。フィットネス業界だけでなく、地域に根差した会員制のサービスを展開する業種にも、予算規模の大小はあっても、メディアプランの策定方法としては他業種でも参考にできる要素はたくさんあるかと思います。


併せて読まれている記事

お金を増やす

支出を減らす